脳科学とヨガ哲学
ヨガ哲学で「心(=マインド)」について勉強をしていると、現代の「脳科学」との共通点がたくさんあることに気づきます。
今回は、わたしたち人間の脳の司令塔である「背外側前頭前野(DLPFC) 」と、ヨガ哲学で「ブッディ」と言われるわたしたちの心の知性の部分が共通しているという点について着目してみます。
脳の3層構造
まず、簡単に脳の構造をみていきます。
脳というのは、3階建て構造になっていて、1番したが自律神経やホルモン、呼吸などに影響を及ぼす脳の領域で「脳幹」。ここが働かないと死んでしまいます。
2階が、本能や感情の役割を担う「大脳辺縁系」。3階が、考えたり、話したり、感じたりといった人間の思考の中枢となっている「大脳皮質」です。
大脳皮質にある4つの部位
脳の各フロア内には、さらに細かい部屋があるとイメージしてみてください。
たとえば、3階の大脳皮質には、「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」というように4つの部屋があり、それぞれの部屋に役割があります。
実際には脳の大きなしわによって、4つの部位に分けられている。
- 前頭葉
大脳の前の部分(おでこ)
考えたり、話したり、制御したりの役割を担う部分
人間がほかの動物と大きく違う理由はここの領域にあると言われる - 頭頂葉
大脳のてっぺんやや後方
感覚に関わる機能をになう
たとえば、暗闇でものを触ったときに「冷たい」「熱い」「柔らかい」「硬い」などを判断するのは、この部分と考えられている - 側頭葉
こめかみのあたり
記憶に関する役割 - 後頭葉
後頭部
視覚に関する役割
アイディア力を伸ばす
ここで少し話がそれますが、わたしたちが賢くなりたい・アイディア力を高めたいと思ったときには、まず記憶に関する「側頭葉」にたくさんの情報をインプットさせます。
そこから、脳の司令塔である「前頭葉」(とくに背外側前頭前野という部分)が、必要な情報を見つけ出し、状況にあてはめて解決策を見い出す、という連携作業が必要になります。
実際には脳の大きなしわによって、4つの部位に分けられている。
ヨガによる心の分析
この「脳のはたらき」とまったく同じ「心の作用」について分かりやすく説明されている箇所が、ヨガスートラの解説書「インテグラル・ヨーガ」の中にありますので、引用します。
マナスが嗅覚により匂いをキャッチし、
ブッディが記憶のアーカイブ(チッタ)から、
それは過去に食べたことのあるスイスのチーズだと識別をする。
そして自我であるアハンカーラが
「食べなくては」と言う。
インテグラル・ヨーガ 1章2節 p.25 心の作用
脳科学が存在しない時代から、ヨギたちは、自身の心を観察することによって、脳には記憶を担う部分(チッタ)と、その情報を分析し判断するブッディ(知性)という場所が別々に存在しているということをつきとめていたのです。
「チーズを食べたい」(欲求)
「そうだ台所にとりに行こう」(意欲)
となり行動につながる。
3つに分けられる前頭葉
ここからは補足になりますが、「前頭葉」という部屋の中も、さらに3つの部位に分けることができ、それぞれに役割があります。下の動画の講座の中で、こちらもヨガ哲学に関連づけて詳しく説明しています。とても面白い部分です
- 背外側前頭前野(DLPFC)
記憶、学習、推理、理解、判断、注意、意図、抑制
脳の司令塔 - 内側前頭前野
良心の領域
自分の行動をモニターし、人としてよくないことをすると不快感をあらわすようになっている - 眼窩前頭前野(OFC)
共感の領域
DLPFC:Dorsolateral prefrontal cortex
OFC:Orbitofrontal cortex
まとめ
- 脳科学とヨガ哲学にはたくさんの共通点がある
- 脳の司令塔-背外側前頭前野(DLPFC)は、ブッディ(知性)の役割を担っている
- 脳は3層構造
- 大脳皮質, 大脳辺縁系, 脳幹
- 大脳皮質は4つの部位に分かれる
- 前頭葉, 側頭葉, 頭頂葉, 後頭葉
- アイディア力を高めるためには、側頭葉(記憶)と前頭葉(司令塔)の連携が重要
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